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日出処の天子

厩戸王子がすごい話。
日出処の天子 (第1巻) (白泉社文庫)日出処の天子 (第2巻) (白泉社文庫)日出処の天子 (第3巻) (白泉社文庫)日出処の天子 (第4巻) (白泉社文庫)日出処の天子 (第5巻) (白泉社文庫)日出処の天子 (第6巻) (白泉社文庫)日出処の天子 (第7巻) (白泉社文庫)
なんつーかもう王子がセクシーすぎる。そしてやおいに近親相姦にペド。腐女子の喜びそうな設定満載。
伝記的な感じで読んでると裏切られる。実在の人物をモチーフにしたフィクション。厩戸王子は常に魑魅魍魎と戦っている。でも昔の日本人は普通に霊が見えたし妖怪にも神様にも会えた、少なくともそう信じていたと考えるのはちょっと面白い。誰だって子供の頃は暗闇が怖かったもので、大人になってからも暗闇に何かがいると昔は誰でも信じていたとしてもちっともおかしくない。だから生霊に取り殺されたりすることだって普通にある話なのだ。
でも回収されない複線も多い。淡水と調子麻呂は結局どういう関係だったのか。淡水はただ単に王子に恋をして母国を捨てたのか。毛人はなんでその妖力みたいなのをちょっと使えるのか。そして王子はいったい何をどうしたいのか。日本をどうにかしたいのか。毛人に愛されたいだけなのか。
聖徳太子が母親に似た知的障害児を正妻にするとか、蘇我入鹿が近親相姦で生まれた子供だなんて日本史に対して失礼な設定を考えるなんてほんと山岸涼子はどうかしてる。凡人の考え付くことじゃない。