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借りぐらしのアリエッティ

人間の家の床下で暮らしてる小人の話。
以下ネタばれまくりなので閲覧注意。

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見たという人からは良い感想を聞いたことが一度もないくらい、ひどい前評判だった。そのせいか、印象は悪くない。ハウルみたいに頭を悩ませる描写はなく話は単純。盛り上がりに欠ける地味な映画という評判はその通りなんだけど、もともと私は盛り上がりに欠ける地味な映画が好きなのだ。
ただ、小人たちに感情移入がしにくい。「人間に見られてはいけない。」がコピーのわりに、見られないための努力が足りない。人間の家に何度も入ったことがあるはずのお父さん、いくら娘の面倒をみるのに気を取られていたとはいえ、部屋に入った瞬間にその部屋に人間がいることくらい気付きそうなものだ。というかそんなに人間を恐れるなら、まず何をするにも人間がいるかいないかに注意を向けるだろうと思う。ベッドに横たわって目を開けている人間の枕元に行くまで気付かないなんて、いくらなんでも警戒心がなさすぎる。
自分たちの住処だって、一度人間に暴かれてしまったら、もう即引っ越ししかありえない。騒ぎが収まったからってまたそのキッチンを使うとか、ほんとに人間に見つからないように暮らす気があるのかと。もちろんその無防備さがなければ、話は進まないんだけど。
樹木希林があまりにも樹木希林すぎて、役の名前が思い出せない。樹木希林の悪行のシーンと、アリエッティに飛びかかろうとする猫を押さえる神木隆之介のシーンで子供たちのくすくす笑う声が聞こえてきて、なるほど子供と大人は本当に見てるところが違うんだなあと思った。まあ子供の自分があのシーンで笑えるかというと微妙だけど。カラスのシーンでは笑えたかもしれない。ていうか窓枠でカラスの首をへし折るかと思ってドキドキした。あとカラスの羽が散乱したベッドで寝るのは無理。
何と言うか、全体を通して伝えたいメッセージ的なものが感じられないのが酷評の原因なんだろうか。浅いというか。あんまりたくさんメッセージを込められてしまうと消化するのが大変なので、私としてはこれくらいでちょうどいい。