猛スピードで母は
表題作の母がかっこいい。ダメな男とはさっさと離婚して、一人で子供を育てていく算段をつけて、親が病気になったとなれば一人で子供と親の両方の面倒を見つつ仕事もして。こんなかっこいい母親にあこがれるわ・・・と思ったけど、子供にとってはもうちょっと優しいほうがいいだろうな。ギリギリの生活を維持しつつ子供にも優しくするなんてきっと無理。
子供は子供で、普通の子供よりちょっぴり複雑な人生に、小学生にして人生を諦観してるみたいな感じになってしまう。それが妙にリアリティがあって怖い。
もちろん自分が子供のときにこんなニヒルなことを考えていたわけもなく、自分と重ね合わせるには無理がありまくるんだけど、ちょっとした描写にリアリティがあって、今どきの子供はもしかしたらこれくらいのことを考えているのかもしれないと思って空恐ろしくなった。
- 作者: 長嶋有
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2005/02/10
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