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中学生日記

中学生男子の話

中学生日記 (新潮文庫)

中学生日記 (新潮文庫)

中学生って小学生から見ると制服着てるってだけで大人に見えたものだ。
実際自分が中学生になってみても、やっぱりまわりがみんな同じ制服着てるってだけで、大人になったんだわと錯覚してた。あと先生に敬語使うようになるとかね。学校に不良がいる(という噂)とか、部活で上下関係をしっかりしないとシメられる(という噂)とか。そのへんは地域性とか校風などいろいろあるんでしょうけど。交通機関なんかは子供料金じゃなくなるし。
んでいざその環境に身を置いてみれば、大人になったのは外見だけでそれも制服に騙されてるだけ。先生はちょっと前まで小学生だった生徒たちにいきなり無理難題を突き付けたりはせず、不良に呼び出されたりもせず、毎日どっさり出されるのかと身構えていた宿題は大して出ないし、意外にぬるい環境で拍子抜け。それでも部活には一人二人くらいちょっと厳しい先輩がいたり、中間テストの上位50名の名前を貼り出されたり、夏休みの宿題が半端ない量だったり、県大会だ怪我だ受験だ補導だ、ってやってるうちに少しずつ大人になっていく。そして3年経った頃には、確かに3年前に比べればだいぶ大人かもしれないが、かと言って充分成長したとは言いがたいものに育っている。それが中学生。
完全に自分の話だけど、中学生になったからもう大人!と思ってるのは中学生本人だけですよねということを思い出させる本。
個人的にはボウヤの行く末が気になる。